「船弁慶」という題名ではありますがこの踊りは〈静御前〉と〈平知盛〉の二人が主人公。前シテと後シテでひとりの演者が踊り分けるところが大きな見所です。この作品はお能『船弁慶』を元に作られており詞章も謡曲とほとんど変わらないそうです。能と同じように、静は織物の壺折、知盛は銀の狩衣に大口、頭には銀の鍬形をつけて薙刀を持っており、華やかな衣装も見所のひとつでしょう。ドラマチックな構成で日本舞踊がはじめての方でも大いに楽しんでいただける作品だと思います。